2009年6月30日(火)10:43

ドイツ連邦憲法裁判所はリスボン条約を合憲と判断

カールスルーエ(AP)

ドイツの連邦憲法裁判所はEU改革リスボン条約を原則的に承認したが、一方でEUレベルの決定におけるドイツ連邦議会の権限を強化した。連邦参議院についても権限が拡大されねばならない、とカールスルーエの連邦憲法裁判所は火曜日の判決で求めた。議会の関与拡大が規定されるまで、ホルスト・ケーラー大統領は批准文書に署名できない。しかし原則的にリスボン条約は基本法に合致しているとされた。

連邦憲法裁判所の裁判官は、リスボン条約の修正の際に連邦議会と連邦参議院が正式に承認する必要があると求めた。またEUが刑法の公布に対する権限拡大をはかる場合も、事前に連邦政府が連邦議会と連邦参議院で正式の承認手続きを行わねばならないとした。

連邦憲法裁判所のアンドレーアス・フォスクーレ副長官はカールスルーエでの判決文の発表において、「基本法はリスボン条約を肯定するが、国のレベルで欧州統合に対する議会の責任を強化するよう求める」。第二法廷は批准文書供託への最後の障害が速やかに解決されるものと確信している、と語った。

連邦議会は選挙前にも決定

憲法裁判所の求めたリスボン条約に関する修正は9月27日の連邦議会選挙の前にも行われる予定である。キリスト教民主同盟・社会同盟議員団のノルベルト・レットゲン院内総務は判決の直後にベルリンで、8月末に付帯法案に関する最初の読会が開かれると述べた。第2読会と第3読会は9月8日の予定であるという。

レットゲン院内総務は、法案を広く討議に付し、修正にあたっては野党にも参加を求めるよう努力すると付け加えた。「連立与党は法案審議の手続きを夏休みにも開始するつもりである。」

リスボン条約はEUの包括的な改革を図るものである。多数決決定の拡大や加盟国の拒否権の制限などが盛り込まれている。また欧州議会の役割の強化も図られる。

なお4ヶ国の批准文書が未提出

キリスト教社会同盟(CSU)のペーター・ガウヴァイラー議員、連邦議会の左派党議員団、ならびに数名の大学教授などリスボン条約違憲訴訟の抗告人は、この訴訟により批准を阻止する意向であった。とりわけ連邦議会の権限が著しく制限されている点を問題視し、EUの民主主義の赤字を訴えていた。

これまで加盟全27ヶ国中24ヶ国が法的拘束力を伴う形でリスボン条約の批准を済ませている。批准文書が未提出なのは、ドイツ、アイルランド、チェコ、ポーランドである。アイルランドは批准を問う国民投票をこの秋に再度実施する。そこで批准が承認されれば、チェコとポーランドの大統領は批准文書に署名する意向である。両国の議会はすでに批准を承認している。ドイツではケーラー大統領が今回の憲法裁判所の判断を待つ形で、署名を控えていた。

原題:EU-Reformvertrag mit Grundgesetz vereinbar




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